社宅の事件簿

子どもが生まれた当時、私たちが住んでいたのは社宅です。

 

昨今は、会社から家賃補助としてお金がいくらか支給されるのが一般的なのでしょうが、私たちの会社は、全国に社宅をたくさん持っており、転勤すると入居することが可能でした。

 

まあ、それはとってもありがたく、恵まれていたと言えるのですが、問題は、、、、

この社宅は、

 

「古い」「狭い」「治安が悪い」

 

三拍子そろった、社内でも有名なトンデモ物件だったのです。

 

●事件その1

入居まもないある昼下がり。流し台で洗い物をしようと、ふと床の隅っこを見ると、すこーしだけ隙間が空いており、その中にいる「何か」と目が合ったのです!ギャー――

 

多分、たぶん、あればネズミさん。いや、「さん」づけなんてしてる場合じゃない。

段ボールやら板やら、ありったけの材料をかき集め、隙間を封鎖し、ネズミ駆除の餌やらなんやらを設置しまくりました。。。コワイコワイ

 

 

●事件その2

社宅の近くには、ハローワーク(というより、職安と呼んだ方がぴったりするかな)があり、朝早くには日雇いの職を求める人が長―い列を作っているような、そんなエリアでした。

 

ある日、妊婦健診で早退して昼間に帰ってくると、1階にあるウチのドアの前で、おっちゃんが酔っ払って寝てましたーー。「あのー、すみません。ちょっと通りますね」って、おっちゃんまたいで家に入りましたが、

 

なんじゃこりゃー

 

でも、まあ、悪いことばかりではなく、これだけひどい環境の社宅なもんで、ここに入れられた入居者たちの間で、妙な連帯感が生まれるんですよね。。。

 

ここで出会ったMちゃんは、出産予定日が数カ月違いの妊婦さんだったこともあり、すぐに意気投合!

私が仕事に復帰してからも、お迎えに行ってくれたり、ご飯を作ってくれたり、本当によくしてくれました。

大切な大切な友達です。

今、あの社宅はどうなっているのかな。もしも、まだあったら、その方がコワイ。